第3話「かわいい家とお菓子」

これまでのあらすじ

長神凛子の家に案内された窪谷千紗だったが、凛子の家に住むのはやめておいた。

その後家探しをするものの、なかなか見つけることができなかった。

そんな中、宮廻亜衣梨という少女に「いい場所がある」と言われ……

 

本編

かわいい家にたどり着いた。

「ここは亜衣梨ちゃんの家?」

「ううん、違う。この村に迷い込んだ時に知り合った姉妹がいるんだけど、その姉妹の家なんだよ」

姉妹か……私にはいたのか、覚えていない。

亜衣梨ちゃんは呼び鈴を押す。すると、中から私と同じくらいの年に見える女の子が出てきた。

「どうしたのですか、亜衣梨? その方は……」

「私は窪谷千紗。たぶん、迷い込んだの。家を探しているんだけど……」

私は少し緊張しながら自己紹介をした。

「そうでしたか。それならここに住むのはどうですか?」

「いいの!?」

良かった、やっと家に住める……!

 

家の中もかわいくて、カフェにいるみたいだった。

「私はギーサ・イルメントラウド……ギーサと呼んでください」

「ギーサちゃん、よろしくね!」

「……ちゃん付けは慣れていないので、やめていただけると助かります」

ギーサは赤面した。

「ところで、亜衣梨ちゃんから『ここは姉妹の家』って聞いたんだけど、ギーサには姉や妹がいるんだよね?」

「姉はいるのですが、私が末っ子なので妹はいませんよ」

「お姉さんはどこに?」

「インガは出かけています。カルスタならいますよ。呼んできましょうか?」

「じゃあ呼んできてほしいな」

ギーサが行こうとすると、亜衣梨ちゃんが言った。

「このお菓子、ギーサの新作でしょ? 食べていいよね?」

ギーサは微笑を浮かべながら、「もちろんどうぞ」と言った。

 

私たちは置いてあったクッキーを食べる。

「おいし~!」

「いろいろな味があるからやめられないよね」

ギーサが作ったクッキー、おいしかったな。お姉さんはどんな人なんだろう。早く見たいな!

 

あとがき

どうも、片時雨です。

前回ハッシュタグをつけてよかったです。スターをつけてくださった方がいたので。

管理人の不調により、更新がかなり遅くなってしまいました。すみませんでした。

ちなみに今日は窪谷千紗の誕生日です。早く登場キャラのイラストを公開しなければ……。

次回は4月16日に更新する予定です。

第2話「住む家」

これまでのあらすじ

窪谷千紗は、食事をしてはいけないという橋でうっかりおにぎりを食べてしまい、神隠しに遭ってしまう。

たどり着いた場所は口由村くちよしむらという村だった。

 

本編

「名乗るのを忘れておったな。わらわは長神凛子ながみりんこ

女性が言った。

「あ、ハイ」

「着いたぞ。ここがわらわの家じゃ」

凛子さんの家は、ボロボロではないがところどころに蜘蛛の巣があった。

「さ、入れ」

中に入る。玄関は砂だらけだったが、部屋はすっきりとしていた。

「今日から御前さんは、この家で暮らすことになるが、それでもいいな?」

「ええと……」

いきなり、この家で暮らすことになると言われてしまった。どうしよう。

「何じゃ、変な顔をして」

「だって……この家で暮らしたいなんて言っていないじゃないですか!」

「そうかそうか、だが口由村は妖怪や幽霊もいるぞ?」

妖怪や幽霊! 私は少し身震いしたが、

「でも、私はこの家にいたくありません」

とキッパリ言った。

凛子さんはあきらめたようで、「まあいいわ。好きにしなさい。ただし住む場所は自分で決めるんじゃぞ」と言って玄関を閉めた。

ちょっときつく言いすぎたかな、とも思ったけど。

私は頑張って住む場所を探すことにした。

「記憶が戻ったら……その時はその時だ」

 

あれから2時間ほど経っただろうか。

どの家でも、「泊まるのはいいけど、住むのはちょっと……」と言われてしまった。

「うーん……やっぱり凛子さんの家に行こうかな」

と考えていた時である。

女の子が猫をなでながら何かひとりごとを言っていた。年は私と同じくらいだろうか。

私は女の子に話しかけようと近づく。

「それでね、振り向いたら……」

女の子は私の方を見て、目を丸くした。

「うわっ!」

大声を出したせいで、猫は逃げてしまった。

「もう、やめてよ! せっかく猫さんとお話してたのに」

「ごめん!」

私は頭を下げて謝る。

「……いいよ。ところで、住む家を探している窪谷とかいう女の子って知ってる?」

「それ私、です!」

女の子はまた目を丸くした。

「やっぱりすずめさんの言ってた通りなんだ……あたしは宮廻亜衣梨みやざこあいり。家を探してるなら、いい場所教えてあげる!」

「え、本当?」

亜衣梨ちゃん、さっきまで怒っていたけど、家を紹介してくれるみたい。

これでまた「住むのはちょっと……」なんて言われたら……ううん、きっと大丈夫!

 

あとがき

どうも、片時雨です。

29日に更新するつもりでしたが変えました。16日と月末にします。

小説を書いているうちに設定が固まってきましたが、一人称などが創作サイトのものと変わってしまいました。

創作サイト直さなきゃな……でもやることが多い。

挿絵は描けなかったので、29日に挿絵が入ることに期待してください(え)

第1話「神隠し」

私の住む場所には、こんな話がある。

竹上橋たけうえばしの上で食事をしてはいけない。食事をした者は、神隠しに遭う」

 

私の名前は窪谷千紗くぼのやかずさ。おそらく、普通の中学生だ。

母と父がいて、友達も数人いて、普通の学校に通っている。

そんな私は今、学校に遅刻しそうになっていた。

 

竹上橋の上まで来た。学校はもう近い。

「はぁ、はぁ、あと5分で着く、かな?」

走り疲れて私はスマートフォンを見る。始業時刻は8時20分だが、8時13分だった。

「よし! おにぎりでも食べよう!」

おにぎりを食べる暇はないのだが。当時の私はとぼけていたのだろう。

リュックからおにぎりを取り出す。手作りのおにぎりだ。私は梅味が好きで、学校のある日はほぼ毎日梅味のおにぎりを食べている。

「おいしい……ん? 頭がふわふわしてきた……」

視界がぼやけてくる。そして、今更ながらあの言い伝えを思い出した。

なんとかその場にとどまろうと思ったが、無理だった。意識がなくなってしまったのかもしれない。

 

目が覚めると、見知らぬ村に来ていた。

「私、何をしていたっけ」

思い出そうとするも、思い出せるのは名前とリュックを身に着けていたことだけだった。

「リュックがない……というか、ここはどこ?」

辺りを見渡した。すると、1人の女性が立っているのが見えた。

「こんにちは、ここはどこですか?」

私はその女性に尋ねた。女性は、

「ここは口由村くちよしむらじゃ」

と答えた。

「くちよしむら? あ、えっと、私は窪谷千紗と言います」

名前を教えると、女性は少し驚いた。

「さっきここに来るのを見てな。いやあ、来た時に名前を覚えている人間がいるとは、珍しいこともあるものじゃな」

「えっ、はい……」

少し困ったが、女性は村を案内してくれるらしく、私はついていくことにした。

 

あとがき

今回はここまでです。

はじめての小説執筆なので、おかしなところもあると思いますが、大目に見てやってください。

次回は2月29日に更新する予定です。今回入れられなかった挿絵も次回は……?

自己紹介と、このブログについて

自己紹介

はじめまして、片時雨(かたしぐれ)と申します。

本ブログ「片時雨の小説倉庫」に足を運んでいただき、ありがとうございます。

 

このブログについて

本ブログは主にオリキャラの小説を書くためのブログです。以下の注意書きをお読みください。プロフィールのページにも同じようなことが書いてあります。

  1. 内容はフィクションであり、実在する人物・団体・地名などとは一切関係ないこと
  2. 更新は月末にする予定だが、片時雨の都合により更新できないこともあること
  3. 更新予定日ではない日に更新する場合もあること(臨時の更新の際はXおよびPawooでお知らせする)
  4. 片時雨の描いた挿絵やらくがき、ファンの方が描かれたファンアートを掲載する場合があること(ファンアートは製作者の方に許可を取ります)
  5. コメントは承認制であり、本ブログや片時雨に関係のないコメントは承認されず削除されること

以上のことについて不満がある方はブログの閲覧をご遠慮ください。

また、掲載されている挿絵、らくがき、ファンアートに関しては、以下の行為が禁止となっています。

  1. 無断転載
  2. 自作発言
  3. 書き込み、コラージュの作成
  4. AIへの学習

ブログ管理者・片時雨の連絡先(X、Pawooのアカウント、個人サイト)はプロフィールページに記載しています。